RIMCL-100住宅適応地域の可能性

2.”RIMCL-100”住宅、寒冷地における安全適応の模索

湘南地域に位置する”RIMCL-100”住宅は無結露住宅である事が、1.安全性の検証の段でご確認いただいた事と思います。その結果をここでもう一度確認しておきたいと思います。

  ① 温暖化対策住宅として貢献できる”RIMCL-100”住宅の基本性能

     屋内空気環境条件:夕方19:00~翌朝6:00までの11時間での変化

         温床運転  朝5:00から40分、夕17:00から40分

         湿度:ほぼ35%で一定   室温:最高23℃、最低16.5℃

     この屋内環境を保持する状態での結露の可能性の検証結果。

        外気温2.2℃の時、無結露が検証されました。

  ② 湘南地域仕様”RIMCL-100”住宅の安全外気温度限界域

        外気温-5℃が無結露限界温度域となる事の確認がされました。

     この時の屋内空気環境:夕方19:00=翌朝6:00までの11時間での変化

         温床運転 朝5:00から40分、夕17:00から40分

         湿度:ほぼ60%で一定  室温:最高15.3℃、最低8.8℃

以上のような検証結果から、湘南地域仕様”RIMCL-100”住宅の適応可能な地域は、とりあえず外気温度が-5℃までの地域であることが判りましたが、この外気条件下での屋内温熱環境は世辞にも快適な状況とはいえません。又、外気温度にしても、せめて-15℃程度にまで耐えられる性能を確保しなければならないと考えます。

そこで、この状況を改善する方法がいくつか考えられます。その方法をこの後の項で検討してみたいと思います。

 イ.”RIMCL-100”住宅の基本断熱性能を熱貫流率で確認

 ① 外壁の熱貫流率

下図に、”RIMCL-100”住宅の外壁断熱構造の断面図を示しますが、図を基にこの外壁の熱貫流率を計算します。

外壁の熱貫流率は下表の計算により、0.25 となります。

参考としてこの値は、旧公庫基準であったⅠ地域(北海道)における次世代型の省エネルギー住宅の外壁の熱貫流率 0.35 と比較してもそれを上回っている事がわかります。

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②開口部の熱貫流率

”RIMCL-100”で採用する各開口部材別の熱貫流率の参考値です。湘南地域仕様ではアルミ製ペアーガラスサッシを標準装備とします。

    参考(アルミ製シングルガラス:6.6

   ・アルミ製ペアーガラスサッシ:3.8 

   ・樹脂製ペアーガラスサッシ:2.9

   ・木製ペアーガラスサッシ:2.7

   ・木製トリプルガラスサッシ:1.8

ロ.温床運転時間拡大による屋内温熱環境の改善

外気温度が想定温度より下がった時、壁内空気を結露域に到達させない為の最も簡単な方法に屋内温度を上げる(結果的には換気作用にもなります)方法があります。

1-ロの項で、屋内温度15.3℃が11時間後、-5.7℃の外気に影響され8.9℃まで下がった場合、壁内温度が1.2℃となり結露が発生する状況となる事を説明しました。この状況の時、温床の運転時間を増やすことで屋内空気の温度を上げます。と同時に壁内温度も上昇しますので結露の発生を回避できる事になります。

下図の空気線図は、この時の状況の変化を表しています。B':8.9℃の屋内空気に8.6℃の加温をする事で、B”:16.5℃の空気環境を創ります。外気温度はそのままの-5.7℃とすると、B”:屋内温度との温度差は23.2℃となります。この温度差を(①=C”-A’):(②=B”-C”)=6.9:7.7に分割しますと、C”:壁内温度は5.7℃となりC”群の空気は、空気線図上に示される位置関係となります。この空気群は、屋内空気への加温により飽和線より離れる事と、おおよそ湿度70%の空気に変化する事で結露しないことがわかります。

加温は他の手段で行う事も考えられますが、その場合は、”RIMCL-100”で創られる温熱環境特性が適用できませんので別の方法で検証することをおすすめします。

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結論は、簡明に申しますと、実際の生活において屋内温度を下げなければ良い事になります。

エアコンストーブでの暖房では、1日中、運転を継続する必要があります。又、ストーブによる暖房の場合は燃焼と共に水蒸気が発生する為換気が必要です。

温床(蓄熱式床暖房)の場合は間歇運転をします。例えば、1時間運転、4時間停止というように、地域の外気温度に合わせた運転方式を採用すれば良い事になります。

ハ.結露域となる熱反射断熱材の屋内側空気の温度を上げる

壁内には、石膏ボード等内装下地材、仕上げ材等により断熱、遮蔽されて屋内空気が伝わります。これがもし、窓等開口部と同じように直接屋内空気に触れたら、対流により効率の良い加温(換気)がなされる事になります。

下図の空気線図において、赤B群は屋内空気、茶E群は壁中空気、黄D群はガラス表面空気です。熱抵抗の大きい外壁より、熱抵抗の小さいガラス表面空気の方が良い温熱環境を維持しています。ここから単純に、熱反射材を屋内空気に露出させれば、ガラス表面と同じ環境になると考える事もできるわけです。

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以上の考え方から下記の二つの対処に有効性が見出されますとなります。

  ・外壁の下部と上部に通気口を設ける事でスムースな対流を可能にさせる

  ・温床設備を外壁内の下部に届くよう配置する

ニ.断熱構造を強化する事で建物の熱損失を減らす

”RIMCL-100”技術をベースに断熱抵抗が増す工夫をします。

   ・内装仕上げ材に漆喰等を採用する

   ・開口部に木製二重ガラスサッシや木製三重ガラスサッシを採用する

   ・熱反射断熱材の屋外側に他の断熱材を併用する

   ・その他(研究開発中)

以上、さほどの費用もかけずに誰でもが簡単にできる処置方法を挙げてみましたが、その安全性への効果のほどは実地に生活建物にその対策を施し、そこからのデータを検証、確認する事で明白にしたいと考えています。

さて、これまで”RIMCL-100”住宅について、長々とその住宅の意義、技術の根拠等を申し述べてまいりましたが、一番大事な安全性について述べ終わったところで終了したいと思います。間違った記述等ありましたら、私の未熟の至りという事でお許しを願いたいと思います。長い間ありがとうございました。

尚、”RIMCL-100”についての今までの記事は、REPORT”温暖化対策室”に全て残してありますので興味がございましたら再度ご覧になって下さい。

   

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RIMCL-100住宅、適応地域の可能性

これまで”RIMCL-100"住宅の外壁をモデルに、各部分の空気変化を空気線図でビジュアル化し、その結露に対する安全性を検証してまいりました。この検証は、湘南地域に位置する実際の建物から温湿度をサンプリングした経緯から、”湘南地域における安全断熱構造”と発表させていただきました。しかし、湘南地域、或いはこの地域に準じた気候特性を持つ地域に有効なだけでは納得をいただけないものと考えています。そもそもの住宅断熱は、冬の暖房費がかさむ寒冷地域において必須なアイテムとして普及してまいりました。又、現代の住宅においても、この断熱を無くしてはその生活が成立しません。RIMCL-100技術が追求する”我が国における地球温暖化に貢献する住宅”という非常に重要なテーマ性を考慮しますと、この寒冷地域においての有効性も確認しなければならないと思います。実証については、今後の作業に任せる事とし、とりあえず、手持ちのデータ等から類推しての検証をしてみます。

1.”RIMCL-100”住宅 その安全性の限界

湘南地域においての、”RIMCL-100”断熱構造の結露に対する安全性は確認?された事と思いますが、次に、その安全性の限界値を再び空気線図を使って検証してみたいと思います。

イ.各部分の空気温度の比較

A群:外気、B群:屋内空気とC群:壁中空気のそれぞれの温度データをもとにその関連性を比較、検討します。ここでサンプリングされる各部分温度は、空気に与える周辺環境が安定する夕方7:00~翌朝6:00までの11時間にかけてのデータとします。又、温湿度については、B群:屋内空気の湿度が変化の基準となりますので、この検討では35%と固定して考えます。

空気線図に表されている各部分の空気の温度、及びそれぞれの空気の間に介在する断熱材等の影響を温度差として表に表します。この表から、外気温度と壁中温度の差は平均6.9℃、壁中温度と屋内温度の差は平均7.7℃と読み取れます。ここで、表中の温度を平均温度差に補正します。

① 屋内-壁中温度差=7.7℃   ② 壁中-外気温度差=6.9℃

Photo

ロ.空気線図からRIMCL-100住宅の安全性限界域を推測します。

下図に示される空気線図から、B群の屋内空気の形とC群の壁中空気の形が相似形で、水蒸気量が変化しない移動をしている事がお解かりになると思います。そして、B群の屋内空気がA群の外気に影響され、C群の壁中空気に変化した過程が読み取れる事とおもいます。尚、B群の屋内空気環境は、”RIMCL-100”住宅における平均的なものを表しています。

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さて、安全性の確認方法は、C群の壁中空気の変化を予測して見極めます。”RIMCL-100”住宅においての外壁における結露域は、このC群の空気が触れる熱反射断熱材の表面に現れます。従って、この空気の結露域を確認すれば良い事になります。

・ RIMCL-100温熱環境特性を空気線図を使って説明

ここでは、イ.の温度表からそれぞれの空気の最低温度を使ってご説明いたします。

イ.で算出した温度差をそれぞれの平均値に補正し、空気線図上に示す①=7.7℃ ②=6.9℃とします。

C:壁中空気は、外気とB:屋内空気の双方に影響されて変化します。その影響の割合は、空気線図に示す①:②の割合になります。

つまり、B:屋内空気の温度16.5℃からA:外気温度1.9℃を差し引いた14.6℃を全体の変化として、その変化の割合をC:壁中空気の両側で 、温度表から①:②=7.7/14.6 : 6.9/14.6 とします。

この割合は、断熱材と温床による蓄熱加温が影響する”RIMCL-100”における、温熱環境創造特性からのもので、B群空気の湿度と外気温度降下の度合いが変わらなければ(一定ならば)ほぼ一定とお考え下さい。

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・限界域の確認、検証

下図の空気線図上において、C群の空気の形状をそのままに左方向へ平行移動します。ここで、Cの空気が飽和線に触れた時点の空気をC'(C群の最低温度8.8℃が1.2℃になる状況)とします。従って、この空気はこの時点で結露現象を起こしますので、この温度を安全限界温度と仮定します。この温度はC'=1.2℃となります。

ここから、Cの温度降下の差を計算しますと、8.8℃ー1.2℃=7.6℃ となります。

C'の温度が1.2℃になった時の、A':外気温度は、1.9℃ー7.6℃=-5.7℃となります。

従ってA'の温度がー5.7℃、C'の温度が1.2℃から、C'-A'=6.9℃となり、(C-A):(B-C)=6.9:7.7 の関係式より、B'-C'=7.7となります。ここからB'の温度は7.7℃+1.2℃=8.9℃と算定されます。

A':外気の最低温度が、-5.7℃となった場合、C':壁内空気の最低温度は1.2℃となり、断熱材表面で結露が発生し始めます。この時のB':屋内空気(湿度35%一定)の最低温度は8.9℃となります。

従って、RIMCL-100住宅では、早朝の最低空気環境が35%以上、又は8.9℃以下になる気候下での生活では、壁内で結露が発生し始めると考えて間違いないように思います。

但し、RIMCL-100の屋内温熱環境は、35%~40% 16.5℃~23℃を目安としていますので、この空気環境を保つ限り躯体内結露は発生しない事がこれまでの説明で推測できる事と思います。そして、その空気環境を保つ方法の一つが、温床運転時間による蓄熱量の加減操作です。

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結論として、”RIMCL-100”住宅においては温床を1日40分、2回運転する通常生活で、冬季の最低外気温度が-5℃程度(計算例ではー5.7℃)の地域において、その躯体内結露に対する安全性が推察できます。

但し、この時の屋内環境は夕方7:00で14.1℃、よく早朝6:00で8.9℃というような劣悪なものとなりますので、現実の生活では温床運転による加温をします。そして、RIMCL-100住宅の標準屋内環境、35~40%、16.5℃~23℃を保持しますので、寒冷地においてもその断熱構造に対する安全性はご推察願えるのではないかと思います。

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ハ.ロの温湿度グラフを空気線図に置き換えて検証・・・つづき

②-B  屋内壁表面付近 空気

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下図の空気線図上、D群の黄色点でプロットされたラインは外壁表面付近の空気の変化を表しています。この外壁表面付近の空気は、B群の赤色点で表される屋内空気が、外気温により影響され性質を変化させたC群の茶色点で表される空気温度近くまで冷やされ、その過程でそれぞれの空気が対流により混合されて性質の変化が起こった空気です。厳密にいいますとこの変化には、温床からの蓄熱熱の連続放出、建材等による調湿、スキマ風による外気との換気等の要素も併せて加味する必要があります。又、熱反射断熱の最大の特質である生活熱の屋内への反射も考慮する必要があります。

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②-C  屋内ガラス表面 空気

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下図の空気線図上、E群の青色点でプロットされたラインは、ガラス表面の空気の変化を表しています。この空気は、B群の赤色点で表される空気が外気の影響で冷やされ、B群の空気と対流により混合されながら変化したものです。

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下図の空気線図は、D群のガラス表面での空気の変化と、C群の壁表面付近での空気の変化、E群の壁の中の空気変化を比較したものです。それぞれB群の屋内空気が同じA群の外気に冷やされ、各C,D,Eと性質の違う空気に変化した様子が見てとれます。興味深いことは、変化後のそれぞれのラインの形状がほぼ相似形になっていることです。そして、この変化の違いにはさまざまな要素が関わってまいります。

まず大きな要素として断熱の違いが上げられます。D群ガラス表面の空気は断熱サッシのみによって熱の伝達を抑えています。C群壁付近空気は外壁における複合した断熱構造により熱の伝達を抑えています。そして、E群壁中空気は断熱材とその外側外壁構造によるプラス断熱効果で熱の伝達を抑えています。

以上の断熱による効果を基本に、対流による空気の混合であったり、熱の伝導であったり、温床の蓄熱熱の放出や他の生活熱の影響や、内装仕上げや生活小物による調湿作用等が、それぞれの空気の成立に影響しています。従って、C,D,E各空気の成立は、それらの影響の度合いによって微妙に変化した結果によります。

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③  外壁躯体内、熱反射断熱材と石膏ボード下地との間の空気

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下図の空気線図上、茶色点でプロットされたラインは外壁内に装備された熱反射断熱材の室内側にある空気のの変化を表しています。この空気は、B群の屋内空気が外気の影響により冷やされその性質を変化したものです。この変化の度合いは、断熱材を含む躯体断熱構造全体の性能によって左右されます。又、この図から断熱性能を一定とし、もしB群の屋内空気の性質が早朝で10℃、70%になるような場合は、B群、C群とも相似形をなしている事から、C群の断熱材屋内側表面に結露が発生する可能性がある事がわかります。

空気線図に表されるC群の空気の状態が飽和線に触れた場合、この空気に結露現象が起こる事は説明してきました。空気線図を見ると、外気温度が2.2℃まで下がった時点でのC群の空気の状態は、飽和線のはるか手前に位置しています。従って、躯体内結露は起こりえないのです。

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結論として、”RIMCL-100”住宅の創り出す屋内温熱環境下のもとでは、外気温度が2.2℃まで下がっても躯体内に結露現象が起こりえない事が検証されました。

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ハ. ロの温湿度グラフを空気線図に置き換えて検証

① 外気 温湿度データ

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外気の温湿度24時間データを空気線図上にプロットすると下の緑点で示された図になります。外気の変化全体をA郡としますと、13℃の空気から2.5℃の空気まで、水蒸気量0.003kg/kgDAの値の線上にほぼ並ぶ様子が良くわかります。この事は、この日の外気に含まれる水蒸気の量に殆ど時間変化がなく(という事は気候が安定している)、気温が下がるに連れて湿度が上昇する過程(相対湿度線を45~70%まで横切っている)がはっきりと現れています。

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② 屋内空気温湿度データ

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屋内空気の温湿度を空気線図上にプロットすると下の赤点で示された図になります。建物には”RIMCL-100”技術が装備されています。日射や換気による影響等を排除する為、床暖房を運転下2時間後の19時から翌早朝6:00までのデータを使って検証します。

もし、B郡の屋内空気に含まれている水蒸気量が一定で変化しない場合は、絶対湿度0.0057の線上を水平に移動する性質の変化(相対湿度が上昇)をします。そして、この時の露点温度は7℃となりますので、この温度の物に触れると結露が始まります。しかし、実際の屋内空気は換気、加温、加湿、熱伝導、対流による混合等によりその性質を刻々と変化させます。

記録されたB郡の生活空気は、図に見られるように温度が下がると共に、湿度ライン35%のライン上を移動してその性質を変化させています。理論上の空気の変化と明らかに異なります。そして、その性質の変化の内容は、その時々の空気に含まれる水蒸気量の減少に現れています。19:00には0.0062kg/kgDAの水蒸気を持っていた空気が、6:00には0.004kg/kgDAの水蒸気に変わっています。その差0.0022kg/kgDAの水蒸気はどこにいってしまったのでしょうか?。

この現象は、換気や減湿操作でも起こりえますが、このデータ測定の時には窓の開閉や換気扇の使用、除湿操作もしていませんのでしたので、このケースでは、夕方5:00に40分間運転した温床による蓄熱の影響(加温し続ける事による効果)と、内装材(天井板張・床フローリング張・造作材・下地材)や生活雑貨等による有効な調湿作用が働いたと判断します。このように同じ湿度を保ったまま変化する空気は飽和線に触れない事が空気線図から読み取れます。従って結露現象は起こりえないことになります。

”RIMCL-100”の技術においては、この結果は偶然なものですが、一般的には、空調システムの採用により簡単に同じ結果を得ることができます。

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参考

同じRIMCL住宅の屋内で、19:00~6:00までの屋内の空気の変化を、温床による暖房とエアコンによる暖房の二つのケースの違いを空気線図上で表してみます。

赤の温床暖房による場合は、屋内空気は11時間の間に23℃から17℃に変化しました。1時間当たり約0.54℃の熱を損失する計算ななります。一方、青のエアコン暖房による場合は、同じく11時間の間に21.5℃から10.5℃に変化し、その1時間当たりの熱の損失は約1.0℃となります。

但し、エアコン運転のデータの場合、厳密な意味では、温床に蓄熱された熱が冷め切らない翌日においてのテストデータである事からあくまで参考値とします。

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つづく・・・

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その3.湘南地域における"RIMCL-100”無結露住宅の検証

ロ.生活の伴う”RIMCL-100”住宅の温・湿度データーからの検証

・測定条件

測定日     平成19年2月15日9:15~2月16日9:00 24時間データー

測定地域    神奈川県逗子市

天候       晴れ~晴れ

暖房運転    蓄熱式床暖房  24時間の中で、40分x2回運転

          運転時間   17:00~17:40    5:00~5:40

・サンプリングポイント

          ①     屋外                紺色

          ②-A  屋内中央床付近         赤色

          ②-B  屋内外壁面付近         黄色

          ②-C  屋内ガラス面付近        青色

          ③     外壁躯体内ボード下地付近  茶色

・各サンプリングポイントにおける24時間温湿度測定データー

各データーとも紺色は温度を表し、赤色は湿度を表しています

① 外気    温度データ :2.5~12.5℃   湿度データ :40~65%

気温が下がると湿度が上がる様子が見て取れます。この事は、単位体積あたりの湿気の量が変わらないことを意味します。

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②-A 屋内床付近  温度データ :17.5~23℃ 湿度データ :32~42%

例えば14:00と22:00の屋内空気で、室温は22℃と余り違わないのに湿度は40%から35%へと-5%の変化があります。この結果は、10:00から18:00までの活動時間帯に外気が混入していた(換気)事を表しています。又、日射による建物躯体への蓄熱の影響も考えられます。18:00を過ぎると窓を閉めることで換気がなくなり、同時に17:00の床暖房の運転により屋内温度が上昇した為に湿度が下がる状況が表れています。次に、19:00以降の屋内空気の変化ですが、室温が下がっているにもかかわらず湿度は35%前後でほぼ一定に保たれています。空気理論上、屋内の湿気の量が一定ならば、室温が下がり始めると湿度は上昇します。しかし、生活環境においては廻りに吸湿作用をもつものがたくさんあり、(建物部材、カーテンや生活小物等)この物に湿気が蓄えられた(調湿)と考えられます。

物体が湿気を吸うという現象は、吸湿、調湿と言われていますが、物体の温度が廻りの空気より下がると、湿気を吸い始めるそうです。建物で申しますと、日射を受けて温度が廻りの空気より上昇した物体には調湿効果は余りなく、夜間、建物各部の温度が下がり始めると、それぞれの物体の性質により吸湿がはじまるそうです。

従って、結露現象というものは、まず、湿度が上昇した空気(露点温度に達した空気も含め)が建材等に触れ、次に建材等に吸収された湿気の量が、その建材の保水量を超えると表面に結露水が流れ出ます。この事から、新建材よりも自然の木材を建築部分に配することは、結露に対して有効な方法と言えます。

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②-B 屋内壁面付近  温度データ :16~23℃ 湿度データ :42~50%

このデータにも②-Aの空気と同じく18:00までは換気の様子が現れています。19:00以降も同様で、温度が下がっても湿度は上がらない一定に近い状態を保っています。

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②-C 屋内ガラス表面  温度データ :10.5~22℃  湿度データ :42~52%

このデータにも②-Aの空気と同じく18:00までは換気の様子が現れています。19:00以降は、温度が下がると湿度が上昇する傾向が現れています。但し、その上昇の度合いは非常に少なく、ここでも、補熱量の大きい屋内空気との対流により湿度が低く抑えられることになり、露天温度に達することはありません。もしこれが、エアコン暖房等に拠った場合は20℃、45%の空気が6℃まで下がるわけですから、ガラス表面温度が10℃程度に下がった段階で湿度は100%の値を示し、窓ガラス表面に結露水が流れ始める事になります。

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③ 外壁躯体内、熱反射断熱材と石膏ボード下地との間の空気

               温度データ :9.5~17  湿度データ :56~70%

このデータにも、②-Aの空気と同様な日射による影響が10:00から15:00までの間に現れています。それ以降7:00まで温度が降下、22:00までは湿度も降下?しています。恐らくこの矛盾は、17:00の床暖房の運転による影響が現れた為ではないかと推察できます。その後23:00以降は、若干ではありますが湿度は上昇傾向の変化を見せています。この変化の状況は、②-Bの壁表面の空気の変化と空気線図上においては相似形をなしています。つまり、湿気の量の変化が殆どないのが特徴で、石膏ボードを断熱材として介した熱伝導による熱の伝わりを物語るデータになりました。

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その3.湘南地域における”RIMCL-100”住宅の無結露の検証

イ.”RIMCL-100”無結露安全断熱構造

図は、”RIMCL-100”技術による住宅の換気、断熱、蓄熱床のシステム図です。

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外壁構造には自然躯体換気工法が採用され、構造用合板にあけられた穴を通じて、熱反射断熱材の外側壁内空気、構造躯体を自然に換気する換気構造になっています。小屋裏空間は、熱反射断熱材で居室と遮蔽された開放空間となっています。

外壁構造躯体内部の熱反射断熱材の屋内側の空気も屋内に対して自然な通気、換気構造になっています。高気密化とは全く裏腹な壁内開放方式による全く新しい考え方の住宅断熱となります。構造体が屋内側に開放されるという事は、”真壁構造”が可能であるという事になります。

1階(又は1,2階)床には蓄熱式の床暖房システムが装備されています。このシステムにより屋内全館がほぼ同一となる空気環境を創りだします。このシステムによると、24時間ほぼ一定(20℃±3℃、40%)の屋内環境をローコストで創出する事ができます。同様な屋内環境は、24時間空気調和式の暖房方式でも得られますが、イニシャルコスト、ランニングコスト、メンテナンスコスト、リフォームコスト、安全性、快適性、耐久性のどれをとっても”温床システム”に利があるように思えます。

冬季においては、熱反射断熱材の外側に位置する構造躯体が自然換気されます。屋内側の壁内環境は、温床により供給される安定した屋内空気と対流、熱伝導若しくは構造躯体の吸湿作用?により換気環境?を保ち結露に至ることはありません。温湿度の実測による検証では、外気の最低温度が2.5℃の下での無結露の確認でしたが、結果から推測すると、外気温度が-5℃程度まででしたら安全なようです。図は、”RIMCL-100”の躯体の換気環境を表した外壁断面図です。

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その結果から判断して、”RIMCL-100"住宅は、湘南地域においては、無結露安全断熱住宅であるといえます。

それでは寒冷地においては無効か?という事ですが、実は方法はあります。例えば温床の運転時間を延ばして熱の供給量を増やす事や、屋内壁上下に壁内部空気と屋内空気を対流させる機能を設けたり、調湿機能を持つ内装材の採用等によりかなりの環境にも有効ではないかと考えています。実験による検証で有効性が確認できれば、寒冷地仕様も開発できることと思います。図は、冬季における躯体内空気への熱の供給状況を表した外壁断面図です。

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この断熱構造による結露域は、通常の断熱構造とは異なり、熱反射断熱材の屋内側表面に現れます。つまり、ほぼガラス表面の結露と同じとなりますので、結露への対処も比較的単純に考えても差し支えないと考えています。

夏季においては、熱反射断熱材による熱の反射機能が有効に働き、屋根面、外壁面に照りつける日射を効率よく反射します。特に屋根面での熱反射率は97%にもなるそうです。実際の温度測定では、外気温度32℃のとき、小屋裏空間の空気温度は46℃まで上昇し、真下の2階の屋内温度は31.5℃までしか上昇しませんでした。図は、夏季における躯体内空気への熱の供給状況を表した外壁断面図です。

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もう一つ興味深い事は、屋根葺き材に瓦を採用した場合とコロニアルを採用した場合の小屋裏温度への影響の違いです。外気温度が同じ32℃のとき、前者の場合は35℃を記録し、後者の場合は46℃を記録しました。又、前者の野地板に杉板を採用、後者の野地板には合板を採用した事も関連がある事は間違いないようです。

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無結露住宅-RIMCL100

その2.住宅結露の基本メカニズム

冬季、住宅で起こる結露に窓ガラスの表面結露があります。何故起こるのかという事は、”空気が冷たい物に触れると結露する”という理解の仕方で皆が知っています。その結露水の始末はというと、"拭いて乾かせば良い”という事も知っています。

しかし、断熱材を使用する以前(断熱住宅での壁表面結露は別の原因も含む?)によく見られた、住宅の壁と天井のコーナー部分のカビや結露の発生となると、明快に説明できる人は少ないのではないかと思います。

実は、それぞれの結露の発生のメカニズムは同じものなのです。壁の結露は、結露水をその下地材に含んでしまうので見え難いだけなのです。そして、その水分と、カビの発生しやすい屋内空気の適度の温度が重なってカビになるのです。

さて、ここで、一般的に起こるものも含めて結露の基本的なメカニズムを知っていただきたいと思います。一般的には、建物の断熱の性能やその効果を表す時に、R値とか熱伝導率とかの数値で説明されます。これらの数値は複雑な?計算を経て数値化された数字を指標としています。しかし、これでは、説明する側も、される側も、実はよくわからないというのが実情に思います。従って、ここでは、どのような状況になったら結露が起きるのかを図表を使って説明したいと思います。使用する図表は、空調システムや冷凍機の設計などで使われている"空気線図(NC線図)”というものです。

Senzu2

上図で、Aの空気(24℃、40%)を、例えば就寝前の部屋の状態空気だったとします(この時の外気の最低温度は0℃とします)。その部屋の空気が、外気によって冷やされ、まず窓ガラスの室内表面温度が外気に影響されて、Bの(9.2℃=Aの空気の露点温度)温度まで下がったとします。この時点でまずガラス表面が曇り始めます、その後、室内の暖かい空気とガラス表面の冷やされた空気(躯体からの熱損失もあります)が対流により混合されながらその状態を保ちます。その後、外気の温度が更に下がり、窓ガラス表面温度がBの温度を保てなくなった時点で、ガラス表面に結露水が流れ始めます。BからCの温度(4℃)までの移動の途中、空気の性質は飽和線上を移動します。このBからCへ空気の性質の移動に伴うものが現象として現れる結露水という事になります。

その結露水の量は、部屋の体積(空気量)xAの比容積x水蒸気量の差になります。

部屋の体積を、例えば10畳とすると、16.5㎡x2.4=約40m3となります。24℃、40%の空気の保有する水蒸気の量は図から0.0076kg/kg(DA)と読め、4℃、100%の空気の水蒸気量は同じく0.0050と読めます。この数値を元に結露水の量を計算で確認してみます。但し、空気の比容積はその空気の温度、湿度で異なりますので、その数値は線図から読みとります。

計算例   

    ① 24℃、40%の空気に含まれる水分量 

        40m3x 1/0.852m3/kg(DA)x 0.0076kg/kg(DA)

                   =40x0.0076 /0.852      m3・kg・kg(DA)/m3・kg(DA)

                   =0.3568kg   

    ② 4℃、100%の空気に含まれる水分量

        40m3x 1/0.791m3/kg(DA)x 0.0050kg/kg(DA)

                   =40x0.0050 /0.0791

                   =0.2528kg

           ①-②=0.3568-0.2528=0.104kg=104g

つまり、10畳の部屋で、その空気が24℃、40%あったものが翌早朝に4℃まで下がった場合、その発生する結露水の量は104g(104CC)ということになります。これが、窓ガラス表面で発生する場合は拭き取ればよいのですが、建物躯体の中(壁内、床下、天井裏等)で連続発生した時は、大きな事故につながる可能性があります。

線図および計算結果から想定しますと、建物屋内で結露水を生じさせないためには、以下の2つの方法が考えられます。

 ① 部屋の湿度をB点(100%)の手前に抑える=除湿をする

                               =換気をする

 ② 部屋の温度を露点温度まで下げない=暖房器を間歇運転し続ける

                            =躯体や開口部を断熱する                

                =容量の大きい蓄熱タイプの暖房方式を採用する

冬季、住宅内で発生する結露にはそのほかに、水廻りで発生するもの、天井裏、床下や北側押入れ内で発生するもの、基礎内で発生するもの、建物の構造内部で発生するもの等々たくさんあります。そして、その発生のメカニズムはシンプルなものなのですが、住宅という建物の性質上、その結露の発生過程及び対処には、非常に複雑な要素がからみ一律に扱えない現実があります。

住宅断熱の導入初期では、目に見える壁の表面結露等がなくなり、屋内の暖かさと相まってその効果のほどに目を見張ったものでしたが、時間を経ると共にその扱いの難しさを知らされるようになりました。只今では、導入初期のような重大事故はさすがに減ってきたようですが、それでも未だにより良い対処工法の出現が待たれていることも現実です。

もう一つ忘れがちな事は、夏における結露の問題です。通常、一般住宅では起こりにくい現象ですが、温暖化によって気温が上昇した場合(現在国内で40℃以上の記録がでています)、夏においても住宅内部で結露が発生する恐れが出てくるという事です。線図を見ますと、同じ湿度40%の空気でも、24℃の時の露点温度は9.2℃でが、40℃の時の露点温度は23.7℃と変化します。保有水量は同じく、0.0076が0.0188と増え約2.5倍にもなってしまいます。このように空気は、温度が高くなると露点温度も高くなり、その結露水の量も増える性質をもっています。もし、この外気に、40℃、70%の性質をもつ空気が現れたと仮定した場合、その空気の持つ露天温度は33.7℃となります。現在の冷房推奨温度は28℃ほどなので、もし、このような外気環境が出現した場合、住宅の内部は圧倒的な外気の水分量によって結露水に見舞われことになります。

冬の省エネルギーを策した住宅断熱ですが、未だにその技術の安全性は担保できず、むしろ、我が国の住宅の耐久性向上においてその阻害要因の一つともなってしまった感があります。国では(建築基準法)24時間換気を規定し、一方、民間住宅業界では益々高気密化に拍車をかけているというこの矛盾。又、夏においては、気密断熱化された躯体が日射熱を閉じ込め、蓄熱体に変貌してしまう可能性も考えられ、その通年での有効性に疑問も出てきました。そして更に、将来的な夏の気候変動を加味した場合、冬の結露事故をはるかに凌ぐ結露事故の発生も予測できます。折から、地球温暖化抑制が国際的な重要なテーマとなり、我が国においても産業各分野、生活においてCO2の発生削減が急務となっています。我が国の住宅においても、生産、生活を通した、目先の省エネルギーではない、本質的な意味においての省エネルギーな住宅を考えなければいけない時期にきているのではないかと思います。

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無結露住宅ーRIMCL100

2-3. 湘南気候での”RIMCL100”住宅無結露の検証

その1.従来断熱材と熱反射断熱材の実験による断熱性能比較

”RIMCL100”モードによる住宅は、過去2年で新築4棟、リフォーム2棟の完成を見ています。いずれも湘南地域に位置しますが、夏における熱反射性能には、目を見張るものがありました。又、冬における断熱性能には、正直若干の不安要因はありました。しかし、体感的には、昨年から今年にかけての生活の中での体験から、以前のロックウール断熱と比較して格別な差異は感じられませんでした。

ここに、3年前に行った実験小屋での断熱比較データーがありますので、掲載してみたいと思います。写真左側は、床、壁、天井に熱反射シートを隙間なく張り詰めた小屋です。写真右側は、同じくロックウール100mmを張り詰めた小屋です。開口は、共に断熱ドアー(3重ガラス)を使用し、熱源は200W電球でとりました。ご覧のように単純な装置で、断熱性能のみを単純比較する為のものです。

Dannetutesuto

少し見にくいのですが、左側の24時間円グラフの中の赤の線で記録されたラインが、熱反射シートを張った小屋の中の温度データーです。右側は、同じくロックウール100mmを張った小屋の中の温度データーです。グラフ中、下部の少し左側に少し出張ったラインがある事が見えます。左、右双方のグラフが同じ状態になっているのでおわかりになると思います。タイマーによって夜8時から10時まで電球をつけ、小屋内に熱をためている状況が温度グラフに現れています。この時の温度は16℃を記録していますが、その後、電球が消灯され翌早朝までに赤い線が辿るラインを見ますと、ほぼ同じ軌跡を辿り10時間後の朝8時には、共に0℃を記録しています。勿論、熱抵抗値のデーターはわかっていますので、その比較はしているのですが、実験結果とデーターは一致しました。

Dannetutesuto2

もう一つこの実験からわかることは、断熱材とは、熱の伝わりを止める物ではなく、熱の伝わる速度を遅くする物なのだということです。つまり、この実験結果から、断熱を施した小屋内の16℃の温度が、10時間後に0℃になったわけですから、1時間に1.6℃の熱ロスが起きているという事になります。これを一般的な生活空間に置き換えてみます。例えば、夜10時に23℃の室温だったとして、その後エアコンをけして就寝するとします。翌朝6時に起床するとしますと、8時間経過していますのでその時の室温は10.2℃と推測されます。但し、この計算は単純断熱で考えてのものです。外気温度によっても違いますし(因みにこの実験をした日の早朝の外気温度は-3℃でした)、実際の建物は、それぞれ断熱構造が違いますので、単純比較はできない事を申し添えておきます。

つづく・・・

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2-2. 100年耐久”断熱住宅”への足ががり

我が国に優れた木造建築物やその建物を作る技術のあった事は、日本人の多くが歴史から学び知っています。そして、生活の中での社会的行事や観光や宿泊等を通じて、500年、600年と使い続けれた神社仏閣や古民家、宿泊施設、個人邸等に実際に触れ、その素晴らしさには例外なく皆が驚嘆します。しかし、現実問題として、生活地域の中においては住宅が次から次へと建て直されていきます。正直な話、私自身も30年ほど前までは日本の一般的な住宅の寿命は30年~40年と考え、そこに疑問もなく当然の事として認識していました。

ところが、昭和47年頃でしたか、”第1次オイルショック”が我が国を襲いました。当時、皆がトイレットペーパーを買いあさる映像がアメリカのTVでも流されていたそうです。そして、その事を契機に、化石燃料への過度の依存に危機感を持った(?)政府は国策として住宅の断熱化を図ったのです。当時の暖房の熱源は主に石油が占めていました。建物の密閉度の低かった当時の住宅では、冬季、暖を得るために石油ストーブを焚き大量の石油を消費していました。一方、当時の夏の暑さはというと、家の中に自然の風を通したり、扇風機の風によって涼をとる程度でしのいでいましたので、現在のようなエアコンによる膨大な電力消費はありませんでした。

この時点から、我が国にそれまで存在しなかった?(もしかしたら、夏向けの高耐久木造建築物を工夫によって完成させていた賢い棟梁達の事だから、その実、断熱住宅の試みもしていたのかも知れません。結果、日本の気候に於いては冬の断熱は建物を腐食させる原因となる事を突き止め、その技術は封印されてしまったのではと妄想しています。)断熱住宅の歴史が始まります。

当初移入された断熱技術は、主に北米で多く作られていた住宅断熱の技術でした。その後をを追いかけるように、同じく北米での住宅工法”プラットフォーム工法”が試験採用されました。そして一定期間をおいた後、オープン工法として認められ我が国の木造住宅の歴史に1ページを刻んだのです。これが、我が国でいうところの”ツウーバイフォー”の住宅です。

私が始めて経験した”ツーバイフォー”住宅は、ある大手ディベロッパーによる分譲住宅の現場でした。私がまだ学生時代の頃で35年ほど前のことでした。当然の事、試験採用の時期だったと思います。確か、外壁は2x4材を骨組に使い、間仕切り材は2x2だったと記憶しています。なんだか手を抜いたような頼りない印象を当時覚えた記憶があります。そしてこの建物には、断熱材として50mm程度のグラスウールが施工されていました。

その後、5~6年を経て、我が国における木造建築物のオープン工法として”壁枠組工法構造基準”が建築基準法上に制定されたと記憶しています。(制定時期は正確なものに読み替えて下さい) 余談になりますが、オープン工法として採用された直後に自宅をこのツーバイフォー工法で建築しました。その経験から建築士資格を取得、その後の建築会社の設立につながり、私にとって非常に感慨深いものがあります。もしこの工法に出会わなかったら、おそらく建築屋にはなっていなかったと思います。又、この時、欧米ではこの住宅が60年~100年ほど使い続けられているという事実を聞き、気候風土の違いも考えず短絡的に、日本の住宅事情を変えられると意気込んだ記憶があります。そういった経緯からも、このツーバイフォー工法で作られた住宅ををより良い、安全なものにしようとして試みた工夫が”RIMCL100”住宅を産むキッカケとなった事も申し添えておきます。

さて、この北米からの一連の技術移入が、我が国の木造住宅建築史において、いい意味でも悪い意味でも大きな影響をもたらしました。

まず、それまでと比較して、省エネルギーで快適な生活が可能となりました。ストーブやコタツの生活からエアコンやファンコイルを使用したクリーンな暖房にかわりました。ほぼ同時に、北米や北欧で住まわれている住宅が”輸入住宅”として紹介されるようになり、それまでの我が国で普及していた洋風住宅の概念を一気に変えることになりました。一般の住宅を設計する建築士たちもそこに学び、欧米の生活を取り入れた住宅空間設計をするようになりました。但し、欧風化された住宅が、一概に良いと申すつもりは毛頭ありません。が、それらの新しい住宅に住まう人たちの生活が活性し、町並みが美しくなった事は事実だと思います。設計者たちの設計技術が洗練されてきたことも事実だと思います。

次に問題の悪い面への影響です。それは、我が国の住宅の耐久性を阻害するかも知れない住宅断熱にあります。移入された北米型の断熱工法は、我が国の地域間格差の大きい気候風土を顧みると、全ての地域で適合するとは言い難いということです。断熱技術の発達した地域では、例えば冬には-10℃、-15℃(もっと低い?)の外気温となり、夏は最高でも20℃程度の外気温にしかならないそうです。しかも湿度は1年中を通して低いそうです。(数値には自信なし)一方、我が国での外気環境はと言いますと、一口では言い切れない地域間格差があります。例えば太平洋沿岸関東以南では、冬は0℃程度、夏は35℃~40℃程度の外気温になります。しかも湿度は、オールシーズンを通して20~100%の間で推移し、外気自体の自然結露現象(霧、露等)も頻繁に発生します。北海道や日本海側地域、高所地域では冬は北欧北米と同様な外気環境になるそうですが、夏は、いわゆる高温、多湿な日本型の気候が多いようです(データーがない為トーンダウン)。

従って、省エネルギーという観点から断熱対策は夏、冬共に必要であり、日本における住宅断熱のあり方は、外気環境の地域差を考慮した地域仕様を設定し、夏の外気環境(温度、湿度)、冬の外気環境(温度、湿度)を踏まえたうえでのものであって然るべきと考えます。又、住宅の耐久性を考えた場合、断熱する事で起こる不都合(例えば結露事故等)が大きな阻害要因となります。今までに住宅断熱による結露事故等は多発しています。多くの企業がその対処工法を模索、様々なシステム機械や安全断熱工法を開発しています。大手企業はともかく、特に中小、零細企業で働く技術者達は、その安全断熱工法を手に入れるため、各種のセミナーや勉強会に奔走しています。しかも決定的な解決策は見つかりません。今や住宅関係者にとって、常に根底で付きまとって離れないストレスになっているのではないかと心配しています。日本の気候を”夏は高温多湿、冬は低温乾燥”と一律に決め付けるのではなく、いつまでもたっても安全が確認されることのない北米型の断熱技術に固執する事を止め、地域地域の気候特性を考慮した日本型の断熱技術を確立する方が、結果として良い結論が早く出るような気がしてなりません。

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2-1. 100年耐久住宅への手がかり

我が国における、かつての木造軸組構造の建物は、まさに今いうところの100年住宅でした。それが何故、いつの間に、30~40年で建て替えを余儀なくされるような建物になってしまったのでしょうか?。

”家は何年ぐらい使えればいいか?、何年ぐらい保てばいいか?” こんな質問を消費者、住宅の供給者(設計者、施工者)によくぶつけます。ほとんど全てに近い方が”30年~40年”と応えます。”100年くらい保たせようよ”とけしかけると、”そんなに生きていない”、”仕事がなくなってしまう” という応えが例外なく返ってきます。確かに、身の回りの建物が30年~40年で建て直されている事実を目の当たりにしている消費者には、そのことは当たり前の事として認識されるのだと思います。又、作る側にしても、長持ちしない現実を知っているだけに、自嘲気味にならざるを得ないのだと思います。

やれ健康だ、やれエコだ、やれ自然素材だ、やれロハスだ、やれスローライフだ、等々の住い方の流行語にはかなり敏感に飛びつく方たちが、その言葉の意味に隠されている住宅の根本である建物の耐久性については、諦めているのか、気がつかないのか、とにかく問題にしているのを聞いた事がありません。それらのライフスタイルは、建物の耐久性が担保されてからの大事である筈で、眞に不可思議な感がいたします。むしろ、耐震への関心以上のものがあって当然の事と思うのですが?。

では何故そうなってしまったのでしょうか?。記憶をたどって、私なりの解釈で検証して見たいと思います。

昭和26年に建築基準法が制定されました。それまでの木造住宅は、大工さんの独壇場で何人も手を出すことはできませんでした。というより、お任せするしか仕方がありませんでした。しかし、当時の戦後復興期という社会背景から、大量の住宅供給の必要性が迫られていました。そして、そのことから大量の建築技術者が必要となり、建築基準法が制定され、家作りの主流が、大工さんの手から建築士の手へと移行するようになったのです。

そして、そのような状況の中で作られた一般庶民用の住宅の耐用年数が20~40年程度だったのです。その大きな要因をいくつか挙げてみたいと思います。

     ① 基準法に制定された技術基準が未熟だった

     ② 建築技術者の経験が不足で能力が未熟だった

     ③ 建て主の所得が少なく建築費用が不足していた

     ④ 現場労働者の多くを出稼ぎ労働力に依存した

     ⑤ 熟練の棟梁たちの経験が生かされなくなった

     ⑥ 建材等の工場生産への依頼度が高くなった

     ⑦ 新建材の開発が異常に進み住宅の成り立ちを左右するようになった

     ⑧ 社会の安定と共に消費者の生活が格段に向上した

この内、建物構造の長期耐用を阻害した大きな要因の一つは、①の技術基準に制定された基礎構造基準に見られます。それまでの束石による基礎?は土台や柱根元の換気性、メンテナンス性を重視して考えられた構造でした。それを制定時の基準法では、布基礎(今の基礎構造とは似て非なるもの))構造を以って建物の基礎としたのです。その事自体は耐震性等の観点からより優れた強度をもたらす元となりましたが、問題は基礎内の換気性を悪くした事にあります。、基礎構造に換気の為の開口は設けたもの、実際には基礎内で発生した湿気を逃すまでの実効性がありませんでした。その為、多くの建物の床下が腐り、白蟻被害にあいました。特に水廻りの被害がひどかった事を記憶しています。

当時の日本経済は急激な発展を見せ始め、一般庶民の所得も増え、住宅の品質も向上しはじめていました。その中で、戦後の復興期に建てられた住宅の価値は薄れ始め、床下や水廻りの痛みがひどくなった事を契機に改築需要が増大したのです。

そしてこのタイミングが、ほぼ20年~40年居住の建物の改築時期に該当するのです。恐らく、この事実を見知って”30年~40年耐用の日本の住宅”、という認識ができあがったのではないかと思います。その意味で、初期の布基礎構造がもたらした影響は非常に大きく、”100年耐用住宅”認識の阻害要因の第一に位置するものと考えます。

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2. 100年耐久住宅、 100年耐久断熱住宅?

”100年住宅”、”200年住宅”、殊更そう呼ばないでも我が国のかつての多くの住宅又は、現在でも作られている一部の建物では、その事は当たり前として捉えられています。今に至っても、日本の各地に75年、100年、中には300年、500年と使い続けられている建物を見ることはそんなに難しい事ではありません。ただ問題は、そうした建物に現代人が住宅としての価値を見出すかどうかという点にあります。

多くの一般庶民に持ち家を、住宅供給者は勿論、関連商品を扱う様々な企業に需要をもたらした住宅金融公庫の果たした役割は、非常に大きなものであった事は異論のない事であると思います。そして、その貸付制度の中で、省エネルギー性能や高耐久仕様を設定し割り増し融資を実行、住宅の性能や品質の向上にもそれなりの役割を果たしてきました。又、当時の住宅の性能及び技術基準として、消費者供給者ともども、公庫仕様が一つの指標となっていた事を思い出します。

その高耐久を呼び声に、只今では多くの住宅供給者が、”100年住宅”、”200年住宅”を標榜するようになり、具体的な耐久年数を掲げるようになりました。但し、その中身が、”100年耐久を目指す住宅”なのか、耐久性確保に裏づけのある”100年住宅”なのかは、いま一つ定かではないのが残念な気がいたします。

一番危惧する事は、長期耐用に不可欠な、構造の耐久性が確保されているかどうかという点にあります。現在多くの住宅に採用されている断熱工法は、構造を取り巻く換気環境の確保という面から見て、その阻害要因となっている疑いがあります。又、断熱材の吸湿性、結露やカビの誘発性もあります。躯体内結露等の大きな断熱事故については対処工法もさまざま開発され、大分減ってきたとは思いますがまだまだ根絶されるまでにはいたっていないようです。

その上、現在の断熱住宅の抱える厄介な問題は、様々なテクノロジーを駆使する事で成立している側面があるという点です。それも、各社各様、必要な技術ではあるのでしょうが、営業上の差別化技術?として次々にしかも目先の開発がなされています。20年後、これらのシステムはどうなるのでしょう?20年後、施工会社がなくなってしまったら誰がメンテナンスするのでしょう?かつての我が国の100年住宅が、近所の大工さん、職人さんによってメンテナンスされて耐用期間を永らえてきた事実を考えると一抹の危惧を禁じ得ません。

又、100年スパンで住宅の使用を考えますとその他にも考慮しなければならない事がたくさんあります。身近なところでは世代の交代、生活慣習の変化、自然現象としての地震や気候の変化等、物理的な耐久性は勿論の事、生活のソフトへの普遍性への配慮も大事な要因になってきます。

100年住宅の普及を契機に、我が国の住宅の在り方(生産供給システム、住宅そのものの品質、住まい方等)を設計者、生産者、消費者共に考え直す時期がきているのではないかという気が致します。競争原理に支配されて作られている現代の住宅、”いい家”(即ち長く使える家?)を作る前に消費者の獲得競争に多くのエネルギーが費やされ、肝心の家作りのエネルギーが残るのかなと心配しています。

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岐路にさしかかっている?断熱住宅-RIMCL100住宅はその一選択肢・・・温暖化対策室より

1."RIMCL100"住宅まとめ

ダンハウス㈱ 温暖化対策住宅研究室では、危機的な状況になりつつある地球温暖化問題を踏まえ、住宅分野における、生産及び生活の両面からのCO2発生の抑制を急務と考え、”RIMCL100住宅”の普及を提唱するにいたりました。

ここまでは、充分とはいえませんが”RIMCL100”住宅の性能や意義、又、その根拠となる、"ダンシステム技術”の説明をしてまいりましたが、再度、その性能及び効果の一端をおさらいしてみたいと思います。

・建物の耐久期待年数    100年(30年毎の大規模改修見込)

・冬の暖房費          ガス代、月、5,000~10,000円(40坪実績)

                      1階20坪全館、17℃~22℃の環境 

                      2階20坪全館、15℃~21℃の環境

・夏の冷房費           電気代、月、2,000円(20坪実績)

                      20坪全館、27℃前後 の環境

                    地域によっては、エアコン不必要

                       小屋裏 46℃の時、2階居室31.5℃

                                    1階居室30.5℃

・温床(蓄熱式床暖房)  

    イニシャルコスト     400,000~500,000円(30坪迄)

    ランニングコスト     ガス代、月、5,000~10,000円(40坪実績)

    屋内設備メンテナンスコスト      0円   (20年実績)

    ガス給湯器設備メンテナンスコスト  0円   (20年実績)

    システムリフォームコスト        0円    (20年実績)         

・ ”RIMCL100”建物本体のコスト  参考値  60万円~(坪当り)

以上が湘南地域における生活データーをもとにした”RIMCL100”住宅の性能の指標となる絶対値です。比較データーを揚げられないのは残念ですが、この事実から、”RIMCL100”住宅では、生活コストが低く抑えられ、快適な生活環境を得られることがおわかりになると思います。そして、この性能を実現する為の技術が以下の3っつの技術である事も、これまでにくどいほど申し述べてきました。

     1.温床(蓄熱式床暖房)技術

     2.安全断熱(熱反射断熱)技術

     3.構造躯体自然換気技術

そして、1.2.3.の三っつの技術が1セットになって初めて、本当の意味での省エネルギー効果のある安全断熱構造が構築され、そこからローコストで快適な生活環境が保証され、ようやくにして、断熱住宅においても100年耐久実現性の可能性が見えてまいりました。

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いっぷく・・・

現代の家作りは大変です。

施主も請負者も多大なエネルギーを消費します。

家作りはどのようにしたらうまくいくのか?、何に気をつけたらいいのか?

始まると目先しか見えなくなります。憂いのない家作り、後悔のない家作り、始める前のシュミレーションは大きな拠り所となります。

まず、一般的な家作りのプロセスとそれぞれの工程における関心事をチェックしたいと思います。

①家作りを思いついた時期

いつかは自分達の家を、とおぼろげながら意識する頃は、あんな家、こんな家と奔放な発想で将来の生活に夢を馳せます。

②業者探しの時期

夢が現実となり始める当初は、何を糸口に計画を進めたらよいのか、雲を掴むような現実に戸惑いながらも、雑誌を買ったり、モデルハウスを見学に行ったり、近所の新築の家を見たり、インターネットで検索したり、様々なアプローチから自分達らしい住いの模索が始まります。

③業者の絞込みの時期

いざ計画を行動に移し始めると大変な現実に直面します。次から次へと増殖する知識、知れば知るほどに混迷の度合いが増していく現代住宅の家作り、計画の様々な局面での選択枝の多さとその判断の必要性を知らされます。そして、多くの場合真実を知り得ずに結論を迫られ、一番の関心事である価格についても、適正な判断ができないまま,予算内で収まることで契約に至るのが現実のようです。

④契約

ようやく計画が確定し、請負契約が締結されますと、ここで初めて現実的な関心事が沸いてまいります。予算計画にユトリのある方も、無理押しした方も一様に思う事は現場監督がいい人だといいな、どんな大工さんが家を建ててくれるのかな?、どんな職人さんがきてくれるのかな?、腕のいい職人さんだといいな、頑固かな?etc.

⑤ガラ合わせ

契約直後、最初に為される事にガラ合わせがあります。契約書に添付された図面及び見積もり書を下に、設備、内外装仕上げ等が検討されます。この段階で、本当の意味での契約した建物の全貌が現れるのが一般的なようです。このガラ合わせ時に、計画の検討が疎かなままで契約に至った場合等、思わぬ齟齬が生じることのある事を良く耳にします。従って、契約の前に仕様をしっかりと把握しておく事が肝要です。

⑥工事着工

実際に工事が始まりますと、目の前で行われている工事が設計どおり約束どおり進行しているかどうかに関心事が移ります。

⑦上棟

そして上棟。ホット一息の瞬間です。しかし、この時点では生活動線や間取りのバランス、空間の雰囲気等まだ見えません。

⑧下地工事

その後、工程が進むに従って、様々な約束事が形となって現れてきます。配管設備、電気配線設備、断熱材の施工、内外装下地の施工等に伴って、気が付く部分が生活に直結したものになっていきます。つまり、これまでは設計者の目をもっていないと気付かなかったものが、この工程までくると生活者の目で見ても理解できる状況になります。

⑨仕上げ工事

最後に仕上げの工程です。この時期になると、選んだガラや色に一喜一憂します。生活動線や生活空間が見えてきますと家具の配置等実際の生活に関心が移ります。建物各部の収まりも見えます。又、建物各部が約束通り収まっているかどうか、追加変更費用が予算内で納まるかどうか気になり、入居の時期が気になり始めます。

⑩完了検査

最後に工事関係者立会いの下、完了検査を行います。

⑪引渡し及び工事費の精算

建物の引渡しと工事費用の精算を行って入居できる状況となります。

⑫入居

大方の家作りは、多かれ少なかれ以上のプロセスを踏んで進行、完了します。

問題にしたいのは、この家作りで消費したエネルギーの総和がプラスだったのかマイナスだったのかという点です。但し、エネルギーの絶対値はありません。あくまでも施主の意識、価値観と、設計者、工事人のセンス、技術力との相関関係から推し量るしかありません。従って、意識の高い施主と意識低い設計者、工事人のミスマッチによる家作りは論外とします。

家作りは、設計者の体質、施工業者の体質、施主の都合等の要因から様々な形態に変化します。どのような形態で進行するにしても、自分がどの形態領域で家作りをしているのかを把握しておくにこした事はありません。”こんなはずではなかった”、”知っていれば頼まなかった”、そんな後悔は後の祭りでしかありません。

”家作り満足度分布図byダンイズム”は、施主本人の都合(予算等)を横軸に、請け負う側の体質(営業体質、設計センス等)を縦軸に、その相関関係から、計画した建物が、数多ある家作りのスタイル(設計、施工形態)のどの領域で進行するのか、どの領域の扱いを受けるのかを、予め知っておくための概念図です。

分布図の説明

    ①ライン:適正価格100%ライン  ②ライン:契約上の約束100%ライン

    ③紺ライン:ビジネス下限ライン  ④青ライン:ビジネス上限ライン

    ⑤緑ライン:芸術性ライン      ⑥赤ライン:感動ライン

    A:適性価格不満領域        A’:低価格不満領域

    B:適正価格納得領域        B’:低価格納得領域

    C:適正価格満足領域        C’:低価格満足領域

    D:感動領域

    OA、OA’:トラブル領域  OD:宗教領域 DD’:宗教(福祉)領域

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概ね①の縦軸の左側領域は組織で行う家作りに当てはまります。①の縦軸の右側の領域は、個人や少人数での家作りにに当てはまる事が多いようです。

どの領域であっても、約束が100%履行されれば特殊なケースを除いて問題は起こりません。しかし、それはレアーケースで、多くの家作りが約束不履行等の問題を抱えながら、施主、業者の双方にダメージを与えているのが現状です。

分布図のA領域内で起こる不満は、③ビジネス下限ラインの内側で解決の余地があります。このラインの外側領域でのトラブルは、司法の判断を仰ぐケースも出てまいります。しかし、A’領域内で起こる不満は、施主、請負者双方共に体力がない場合が多いので、解決の余地も少なく、双方とも泣き寝入りに終わりかねない領域になります。そして、A’領域において、③ラインの外側領域で起こるトラブルに見舞われた場合は、双方共に悲惨な結果が待っています。施主、請負者どちらの側も充分な注意が必要とされる家作り環境です。体力のない人は近寄らない方が無難です。

多くの家作りに当てはまるのではないかと思いますが、B:納得領域での家作りでは、双方に若干の不満はあってもトラブルまでには発展しない、家作りとしては健全ではないかと思われる領域になります。但し、B’の領域では、約束の不履行分は価格の低い分で埋め合わせ納得する必要があります。

C:満足領域での家作りは、双方共に、価値観や生活センスで一致した家作りです。TVで紹介されたり、雑誌に掲載されたりするレベルの建物が比較的多い領域です。但し、この領域での家作りは個性的な人達が多いので、人間関係の構築に気を使うことが多いようです。但し、C’領域での家作りは、C領域で家作りをする人が、たまたま行きがかり上入ってしまった領域です。ここでの家作りは、経営上全く成立しません。長くとどまったら間違いなく倒産の憂き目に会います。なぜなら、この外側の領域は福祉領域となるからです。

最後にD領域は、⑥臨界ラインを限界として感動領域となります。この領域での家作りは、簡単に言ってしまえば、施主と設計者、請負者が運命共同体となって行う家作りです。施主のコミットメントの度合いが⑥ラインを動かします。この家作りに於いては、双方共にマイナスのストレスが発生しません。プラスエネルギーのみで進行する家作りです。そして、この領域は経済活動の伴った家作りとしては限界領域となります。なぜならば、⑥ラインの外側は宗教領域に入ってしまうからです。

このように、家作りと言っても、その環境の選択によってさまざまな形態が起こる可能性のあることが御理解いただけたと思います。そして、家作り環境は、請負者側の一方で作るものでもなく、施主側にも応分の責任があるという事も御理解いただきたいと思います。

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・・・温暖化対策室より

6.3.3.構造・躯体自然換気システムのつづき

夏季の建物構造を取り巻く空気環境概念図

図は、夏季における、ダンシステムを装備した建物の、屋内空気環境及び躯体内部の換気状況を表した概念図です。

屋内空気環境は熱反射断熱シートに保護され、太陽からの熱線を反射し浸入させません。但し、熱の伝導による影響はありますので、屋内に風を通すことや僅かなエアコンの運転で充分過ごしやすくなります。

一方外壁の内部で反射された熱は外壁内にこもることなく、構造用合板の面や通気穴を通して外壁の通気層に放出され、構造躯体を換気しながら小屋から屋外に自然に放出されます。

従って、陽が落ち外気温が下がると共に、構造躯体に蓄熱された熱も放出され、いわゆる熱帯夜(ヒートハウス現象?)から開放されます。

この熱反射断熱シートによる性能は、屋根面において97%もの熱線を反射する性能を持つそうです。(メーカー資料より)

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図は、ダンシステムにおける外壁の断面詳細図です。

この通気構造を持つ外壁熱反射断熱構造の特徴は、土台部分から外気をとり入れ、躯体内で発生した湿気や熱を外壁全面、屋根全面を自然に換気しながら小屋を通り屋外に排出する工夫があることです。

又、熱反射シートをはさんで、屋外側では構造用合板に開けられた通気穴を通して熱や湿気を放出させ、屋内側では、ベーパーバリヤーの施されていない壁下地を通して屋内に放出させます。

この工夫により、壁や躯体内部に湿気や熱がこもらない換気構造を伴った断熱構造が可能となります。

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・・・温暖化対策室より

6-3-3.構造・躯体自然換気システム

冬季の建物構造を取り巻く空気環境概念図

図は、冬季における、ダンシステムを装備した建物の、屋内空気環境及び躯体内部の換気状況を表した概念図です。

屋内では、温床による輻射熱や生活で発生する熱が、熱反射断熱シートにより屋内に反射され熱の損失を防ぎます。と同時に屋内から屋外への熱の伝導を妨げます。

土台の外気取り入れ口や軒天換気口から取り入れた外気は、外壁面、屋根面の躯体内部側全体を換気しながら棟や妻壁、軒から排出されます。

冬季の外気の湿度は、外気温や気圧配置の影響で常に変化しています。晴れた日の日中で20%程度、夜間から早朝で50%程度です。曇りや雨模様の日には、明方で80~90%程度になります。

当然、構造躯体にもその湿気は浸入します。壁を半密閉状態にしますと、その湿気が抜けきらず、カビの発生の原因ともなります。

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冬季における外壁をはさむ換気環境の断面詳細図です

赤のラインは熱反射断熱シートで、そのシートで遮られた両側の空気が換気環境にあることがお解かりになると思います。柱や間柱材は、断熱材であり、調湿材であると考えます。但し、外気温が低い地域の場合には、柱表面にもベイパーバリヤーは必要と思われます。このシステムの有効な外気温の目安は-5℃程度までとお考え下さい。

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6-3-2.開放構造に向かったダンシステム

一般的な断熱住宅では、結露事故を防ぐ為に、ベイパーバリヤーとしてポリフィルムを採用し躯体の密閉構造化に向かいました。そして、この時点では、あくまで密閉された屋内の空気を換気する目的で、計画換気等の設備が装備されていました。

一方、ダンシステムの装備された住宅では、建物各部位に施された断熱材の外側に外気を取り入れる(土間床工法を採用した場合の床下は別)事で、躯体内部で発生する湿気を通気層に逃し、屋内から浸入する湿気を逃す方法を採用しました。

なぜかと申しますと、我が国の気候は、夏でも、冬でも、湿度がおおむね20%~100%の間で推移しているという事実があるからです。自然の結露現象である、露が降り、霞やモヤが建物にかかります。建物が、1年の中で季節を問わず、何度も湿気に晒されるのです。それ故、我が国のかつての建物には、張りだした軒があり、開口部上部には霧除けと言われる小さな屋根?がついていたのです。その上、柱や梁の構造体は、密閉されることなく屋内外にさらされていました。私の妻の実家も大正時代初期の建物ですが、関東大震災を経験し、未だに立派に住いの用をたしています。構造躯体を外気に晒すことがいかに木造の建物にとって有効化を物語っています。

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外壁通気層に加えても一つ工夫がありました。石膏ボードと構造用合板に塞がれた、壁の中に発生した湿気をスムーズに逃す為の工夫です。つまり、構造用合板に湿気を抜く為の6mm程度の穴を設けることでした。この穴から壁内の湿気を、少ない滞留時間で通気層に逃すことになりました。又、この穴には、結露状況に陥った空気が発生した場合、外気が対流する事で結露を防ぐ機能もあります。

併せて、ベイパーバリヤー(実は不必要?)にアルクラフト紙(防湿機能に加えて輻射熱を反射する性能を併せ持つ)を採用しました。このシートは、アルミ箔にクラフト紙を蒸着させたもので、クラフト紙が壁内の湿気を吸着し、アルミ箔が生活熱を屋内に反射し、日射による輻射熱を屋外(通気層)に反射する機能を持っています。

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            アルクラフト紙

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15年ほど前、この時点で、会社創設当初の目標の一つであった安全断熱工法にたどり着きました。開口部には木製3重ガラスサッシを標準装備し、屋内の温熱性能も飛躍的に向上、この上望むべくもない住宅に成長しました。しかし、100年の耐久性ということに関しては、実績のない2x6工法を採用している事もあり、又、かつての真壁構造の住宅と比べても、構造部材の開放度という点では今一つ納得できないものもありました。

そして、1999年にSE構法を知りここから一気に、基本構造を在来(SE構造)工法に転向しました。この構造にダンシステムを装備、100年住宅の実現が射程距離に入ってまいりました。

その後2005年に熱反射断熱シートに出会い、念願であった安全断熱・高耐久住宅の実現を確信する事になりました。基本構造にもSE構造と併せて、在来軸組工法を採用、熱反射断熱シートの特性を生かした、真壁構造を持つ安全断熱住宅が誕生しました。

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6-3.構造躯体自然換気システム -温暖化対策室より

16年ほど以前、基本構造として採用しいた2x6工法の半密閉構造に疑問を覚えたことが始まりでした。断熱住宅においての、断熱を起因とする結露事故が知られるようになり、住宅の建築技術者達が断熱工法に疑心を持ち始めた頃です。

その頃、ふとした事から、かつての我が国の住宅が目に見えるような結露事故が余りなく、構造躯体が大きな腐食もおこさず、それでも痛んだ所を直しながら、100年、200年と使い続けられていることに気付きました。

材料、工法、職人の技術、生活形態、社会の成り立ち等、確かに現在と当時は比較するべくもありませんが、木材を腐食させない工夫は当時の職人たちの一番大事とする技術だったのではないかと考え、そこから学ぶ姿勢ができました。又、同時に、現代の家作りにおける様々な問題点、矛盾に対しても、棟梁たちの家作りを想うにつけ、その回答を示唆されているような気がしてなりません。

6-3-1.密閉構造に向かった断熱住宅

当時の一般的な外壁断熱構造は、ロックウール又はグラスウールを壁体内に充填、部屋側、石膏ボード下地と断熱材の間にベイパーバリヤー(ポリフィルム)をはさむ方法が多く採られていました。2x4や2x6工法においては構造用合板の外側には防水紙(透湿性)が張られ、直接モルタル系仕上げ等が施されていました。

ベイパーバリヤーを採用する事で、一担は結露の心配から開放されました。しかし、安心する間もなく、施工性の問題から、コンセントや設備配管等のスキマから湿気が壁体内に侵入、却って被害の大きい集中結露を招くことになりました。

ここから我が国の多くの断熱住宅は、構造・躯体を密閉する方向に向かっていきました。(ダンシステムの断熱工法においては、この段階から密閉構造とは相反する開放構造へと向かっていきます。)

まず最初の対処として、スキマを極力減らし、屋内の湿気を持つ空気を躯