RIMCL-100住宅適応地域の可能性
2.”RIMCL-100”住宅、寒冷地における安全適応の模索
湘南地域に位置する”RIMCL-100”住宅は無結露住宅である事が、1.安全性の検証の段でご確認いただいた事と思います。その結果をここでもう一度確認しておきたいと思います。
① 温暖化対策住宅として貢献できる”RIMCL-100”住宅の基本性能
屋内空気環境条件:夕方19:00~翌朝6:00までの11時間での変化
温床運転 朝5:00から40分、夕17:00から40分
湿度:ほぼ35%で一定 室温:最高23℃、最低16.5℃
この屋内環境を保持する状態での結露の可能性の検証結果。
外気温2.2℃の時、無結露が検証されました。
② 湘南地域仕様”RIMCL-100”住宅の安全外気温度限界域
外気温-5℃が無結露限界温度域となる事の確認がされました。
この時の屋内空気環境:夕方19:00=翌朝6:00までの11時間での変化
温床運転 朝5:00から40分、夕17:00から40分
湿度:ほぼ60%で一定 室温:最高15.3℃、最低8.8℃
以上のような検証結果から、湘南地域仕様”RIMCL-100”住宅の適応可能な地域は、とりあえず外気温度が-5℃までの地域であることが判りましたが、この外気条件下での屋内温熱環境は世辞にも快適な状況とはいえません。又、外気温度にしても、せめて-15℃程度にまで耐えられる性能を確保しなければならないと考えます。
そこで、この状況を改善する方法がいくつか考えられます。その方法をこの後の項で検討してみたいと思います。
イ.”RIMCL-100”住宅の基本断熱性能を熱貫流率で確認
① 外壁の熱貫流率
下図に、”RIMCL-100”住宅の外壁断熱構造の断面図を示しますが、図を基にこの外壁の熱貫流率を計算します。
外壁の熱貫流率は下表の計算により、0.25 となります。
参考としてこの値は、旧公庫基準であったⅠ地域(北海道)における次世代型の省エネルギー住宅の外壁の熱貫流率 0.35 と比較してもそれを上回っている事がわかります。
②開口部の熱貫流率
”RIMCL-100”で採用する各開口部材別の熱貫流率の参考値です。湘南地域仕様ではアルミ製ペアーガラスサッシを標準装備とします。
参考(アルミ製シングルガラス:6.6)
・アルミ製ペアーガラスサッシ:3.8
・樹脂製ペアーガラスサッシ:2.9
・木製ペアーガラスサッシ:2.7
・木製トリプルガラスサッシ:1.8
ロ.温床運転時間拡大による屋内温熱環境の改善
外気温度が想定温度より下がった時、壁内空気を結露域に到達させない為の最も簡単な方法に屋内温度を上げる(結果的には換気作用にもなります)方法があります。
1-ロの項で、屋内温度15.3℃が11時間後、-5.7℃の外気に影響され8.9℃まで下がった場合、壁内温度が1.2℃となり結露が発生する状況となる事を説明しました。この状況の時、温床の運転時間を増やすことで屋内空気の温度を上げます。と同時に壁内温度も上昇しますので結露の発生を回避できる事になります。
下図の空気線図は、この時の状況の変化を表しています。B':8.9℃の屋内空気に8.6℃の加温をする事で、B”:16.5℃の空気環境を創ります。外気温度はそのままの-5.7℃とすると、B”:屋内温度との温度差は23.2℃となります。この温度差を(①=C”-A’):(②=B”-C”)=6.9:7.7に分割しますと、C”:壁内温度は5.7℃となりC”群の空気は、空気線図上に示される位置関係となります。この空気群は、屋内空気への加温により飽和線より離れる事と、おおよそ湿度70%の空気に変化する事で結露しないことがわかります。
加温は他の手段で行う事も考えられますが、その場合は、”RIMCL-100”で創られる温熱環境特性が適用できませんので別の方法で検証することをおすすめします。
結論は、簡明に申しますと、実際の生活において屋内温度を下げなければ良い事になります。
エアコンやストーブでの暖房では、1日中、運転を継続する必要があります。又、ストーブによる暖房の場合は燃焼と共に水蒸気が発生する為換気が必要です。
温床(蓄熱式床暖房)の場合は間歇運転をします。例えば、1時間運転、4時間停止というように、地域の外気温度に合わせた運転方式を採用すれば良い事になります。
ハ.結露域となる熱反射断熱材の屋内側空気の温度を上げる
壁内には、石膏ボード等内装下地材、仕上げ材等により断熱、遮蔽されて屋内空気が伝わります。これがもし、窓等開口部と同じように直接屋内空気に触れたら、対流により効率の良い加温(換気)がなされる事になります。
下図の空気線図において、赤B群は屋内空気、茶E群は壁中空気、黄D群はガラス表面空気です。熱抵抗の大きい外壁より、熱抵抗の小さいガラス表面空気の方が良い温熱環境を維持しています。ここから単純に、熱反射材を屋内空気に露出させれば、ガラス表面と同じ環境になると考える事もできるわけです。
以上の考え方から下記の二つの対処に有効性が見出されますとなります。
・外壁の下部と上部に通気口を設ける事でスムースな対流を可能にさせる
・温床設備を外壁内の下部に届くよう配置する
ニ.断熱構造を強化する事で建物の熱損失を減らす
”RIMCL-100”技術をベースに断熱抵抗が増す工夫をします。
・内装仕上げ材に漆喰等を採用する
・開口部に木製二重ガラスサッシや木製三重ガラスサッシを採用する
・熱反射断熱材の屋外側に他の断熱材を併用する
・その他(研究開発中)
以上、さほどの費用もかけずに誰でもが簡単にできる処置方法を挙げてみましたが、その安全性への効果のほどは実地に生活建物にその対策を施し、そこからのデータを検証、確認する事で明白にしたいと考えています。
さて、これまで”RIMCL-100”住宅について、長々とその住宅の意義、技術の根拠等を申し述べてまいりましたが、一番大事な安全性について述べ終わったところで終了したいと思います。間違った記述等ありましたら、私の未熟の至りという事でお許しを願いたいと思います。長い間ありがとうございました。
尚、”RIMCL-100”についての今までの記事は、REPORT”温暖化対策室”に全て残してありますので興味がございましたら再度ご覧になって下さい。










































