1.一般的な床暖房

 小住宅における床暖房方式にパネル式床暖房があります。
そして、その施工の簡便さ、設備機器メーカーの普及への努力もあり、今では、床暖房の代名詞になっている感さえあります。
 さて、この床を暖めて暖をとるという発想は、韓国における”オンドル(煙道)”がよく知られていますが、我が国においては、給湯設備の普及と共に、病院、ホテル、福利厚生施設、高級住宅等、高い居住性が要求される建物に設備されてきました。
 私が、36年程以前実際関わったある小住宅(といっても、RC構造、3階建、延べ面積300坪程度)での床暖房設備の概要を、紹介したいと思います。

ボイラー設備  :  セクショナルボイラー(工場で使うような大能力なもの)
給油タンク  :  地下埋設タンク(G.S.で使う様なもの)
床給湯配管設備  :  銅管 D=13mm P=150mm

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 何しろ、36年前の記憶です。大雑把過ぎる紹介で、専門的な知識をお持ちの方には参考にもならないとは思いますが、とにかく、住宅の設備としては破格のものだったと記憶しています。建物の熱ロスも、今考えてみますと、何も工夫はありませんでした。当時、空調の設計をする際、熱ロスなど考えないで、建物からあるがままの建材固有の係数で計算していました。従って、熱負荷が大きく、冷暖房のランニングコストも非常に高いものでした。又、木造住宅で当時流行り始めたセントラルヒーティングでも、40坪程度の家で、ガス代が月あたり10万円程掛かった事を、今でもハッキリ覚えています。

2.小住宅における床暖房

 35年程経ちますが、アメリカで開発されたプラットフォーム工法(いわゆる2X4工法)の住宅が我が国に紹介され、その合理性及び優れた断熱性が、日本の木造住宅業界に衝撃を与えた事は、つい昨日の事のように覚えています。
 この断熱住宅(2X4工法、在来工法、パネル工法等)の急速な普及と共に空調関連の設備商品の開発も日進月歩でした。この当時既に床暖房をパネル化した商品ができていました。しかし、実態は、床暖房を運転して座る場所を暖かくし、背中には、当時普及し始めた石油ファンヒーターを置き、頭は、エアコンで暖めるという笑い話のような生活をしていたようです。
 RCの建物にしか設備されていなかった床暖房設備が、木造住宅用にパネル化して商品化されるようになった事から、一般的には住宅で床暖房というとパネル式床暖房を皆さんイメージするようです。

3.小住宅向け蓄熱式床暖房の開発

 この様な背景から、30年程前、小住宅向き蓄熱式床暖房の開発のキッカケが生まれました。
 ある新築工事の計画の中で、浴槽に給湯する配管を、部屋の床下を通過させてから浴槽までもっていって欲しいという注文を、施主から受けた事があります。依頼を受けた当初は、何を馬鹿な事をと思いましたが、駄目で元々と言う事で結局実行しました。
 そして、その工事に関しては、うまく機能したかどうかは憶えていませんが、それをヒントに、それまでは、我が国になかった、小住宅向け蓄熱式床暖房システムの開発に着手しました。
 当初は、20坪程度の床面積を暖める為の設備費を30万円程度でと計画。新築の建物で、試行錯誤しながら実験を重ねました。いちばんの問題は、燃焼機器に何を採用するかという事でした。灯油燃料やガス燃料の4~5種類の異なるボイラーでテストしましたが、タイミング良く、某社のヒーティング用に開発されたガスボイラーが発売され、そのボイラーを採用する事で、現在のダンシステムにおける蓄熱式床暖房の基本システムが完成しました。
 そして、昭和63年にダンハウス(株)が設立され、第1号棟から現在に至るまでの全てのダンハウスの住まいに装備され、オーナーの皆様から賞賛の声をいただいています。