6-2.熱反射断熱システム
6-2-1. さまよえる?量式断熱方式
我が国で普及、発展した住宅の断熱は、冬季、屋内で発生する熱(暖房熱等生活熱)の損失を少なくする為の技術です。
一般的に採用されてきた壁内断熱方式では、断熱屋根タルキ、外壁の壁内、床下根太等、躯体の厚みの中に、ロックウールやグラスウール等(これらの断熱材を量式断熱材といいます)を充填する事で屋内の暖かい空気を屋外に放出する事を防ぎます。厳密にいうと、熱の逃げる速度を遅らせます。
この方式による断熱では、導入当時から躯体内での結露事故が絶えませんでした。生活空間で作られた暖かい空気は、温度や密度等の高い側から、低い側へ移動する性質があります。この移動途中、建物躯体の中で、外気に冷やされた部分に触れると一気に結露を発生させます。特に、外壁仕上げの下地の壁内側部分での事故が多く、断熱材導入初期によく見られた躯体内結露現象によるものでした。
当時この現象への対処として、ベイパーバリヤー(多くがポリフィルムを採用)を断熱材の室内側に張る方法が紹介され一気に広まりました。要は、湿気を含んだ室内空気を壁の手前で留めてしまうという考え方で、その後の断熱住宅における不可欠の技術となりました。
その技術の極みが、高気密、高断熱工法と呼ばれている断熱工法です。当然、ダクトを引き廻した24時間換気設備が必要不可欠なものとなります。
そして、この高気密、高断熱の技術から、より高い安全性、施工性を求めて外断熱工法が普及するようになりました。これもいわゆる対処工法の一つで、その成り立ちの根っこは一緒だったのです。
しかし、事ここに至っても結露の根は深く、密閉壁にしてしまった壁の中での水蒸気がその逃げ場を失い、微細な結露やカビの発生にことかきませんでした。
又もう一方、壁をダクト代わりに使ったり、ソーラーシステムを組み併せた方式等も広まっているようですが、その効果のほどはともかくとして、住宅があたかもシステム機械の化け物に変じてしまった印象を深く受けています。
こんな複雑な、職人の手では始末できない建物を作ってしまって、将来のメンテナンスはどうするのでしょうかネ?住宅100年の計は立つのでしょうかネ?
そして只今では、結露対処の正統と思われる通気工法が多く採用されるようになりました。これにより、壁が密閉でなくなり、湿気が外気に自然に開放されるようになりました。数ある結露対処工法の中で、最も優れた安全な工法であると言っても過言ではないと思われます。しかも、大工さんの手で構築できる簡単、安全な方法です。
更に申しますと、極寒地域は別として、最低外気温が0℃程度の地域では、この通気工法を採用していれば、ポリフィルムは不要だったのではないかと思える節があります。つまり、多くの結露対処工法は不要だったのではないか、無駄な苦労だったのではないかと思える節もあります。
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