いっぷく・・・
規制緩和に端を発した政治的、社会的現象の中で、建築業界においても、ここ10年程で周辺環境が激動しています。
確認審査業務の民間への委譲に始まり、住宅の品質の保証、シックハウス対策、姉歯氏に端を発する構造計算偽造問題から、審査業務及びそのチェックシステムの見直し等枚挙にいとまがありません。
落ち着く間もなく法律が次々と改正?され、それでなくても難解な建築基準法が益々複雑化の道を辿り、今では、一建築士では手に負えない事態に陥っている次第です。また、消費者にとっても、消費者保護の下に、極論箸の上げ下げまで縛られていく事になります。その結果、”1億総中流”ならぬ”1億総犯罪人”の社会が出来上がる様な気がしてなりません。
法律やその取り扱いに不備が生じた場合その齟齬を補正していく事は、法治国家である以上当然の事です。この事そのものには異議はありません。しかし、土質改良もせずに欲しい食物だけをを植えるような事をしたら、そこにさまざまなストレスが発生するのは自明の理です。
そこで、私の考える根本治療を徒然のままに揚げてみたいと思います。
1.建築基準法を建物用途及び建物規模別なものとする。
例えて言えば、住宅だけを建築するのに必要な内容を盛り込んだ
基準法を制定する事で、法律体系そのもをシンプルなものに替え
ることができます。建築士にとっても理解しやすくなり、コンプライア
ンスの観点からも扱いやすいものとなります。品質基準、構造技
術基準等もより細かに制定でき消費者にとっても解りやすくなり
ます。
・小規模住宅建築基準法
・中規模建築基準法
・大規模建築基準法
建築士資格は、それぞれの基準法の下に制定する
2.住宅の供給体制の整理、住み分け
消費者は、さまざまな価値観を持って住いの建築を依頼します。
しかし、建物のデザイン、性能、価格、建築会社の体質等、どれ
1つとっても判断する事が難しく選択に苦慮しているのが実情で
す。又、供給者側にとっても、大組織、一人親方に関わらず生き
残る為に、消費者のニーズに応える為にも必死な競争に耐えな
ければなりません。両極端に位置していますが、どちらも必要と
されているのです。現況は、大組織と一人親方が営業の現場で
競合してしまうという非常に無理のある状況がそこここで見られ
ます。又、長持ちする住み易い家を建てて欲しいという消費者利
益からも、不自然な競合は避けたく思います。
そこで、どうしたら住み分けができるかなと考えます。
A.価格体系による住み分け
現状の積算体系は、各企業それぞれ独自の積算システムを
採用しています。そして、建築を計画する消費者にとって、この
見積書は特に判り難いものの一つとなっています。極端な話で
すが、大組織でも一人親方でも諸経費が同じ10%を計上してい
るという、常識で考えたらあり得ない事が営業現場では起きて
います。消費者もその経費率を見て高い安いを判断している節
も見受けられます。
・工事、材料価格をオープン価格を下に積算する。
オープン価格を下回っての仕入れは企業努力分とする
・必要経費は組織の規模により独自料率とする。
大組織での営業経費は大きな料率となりますが、同じ営
業形態を採る組織同士の競合は、経費料率が企業努力
となります。
一人親方の営業経費は僅かなものですみます。勿論、
一人親方同士の競合は、建築費だけでなく、技術、セン
スの要素も大きく作用します。
つまり、工事原価と諸経費のたった二つの積算要素を
明らかにするだけで、風通しの良い、責任の明快な、
請負業者、消費者双方にとって納得のできる家作りとな
ります。そして何よりも多くの善良な建築業界で働く人材
にとって大きな福音となります。
B.建築会社の営業形態を明示する
例えば、建設業許可のなかでもいいのですが、営業形態、
施工設計形態を明示する事で消費者の建築業者選択の
目安とする。
・営業体質の会社 自社又は代理店施工の明示
自社又は外注設計の明示
大、中、小規模の明示
・不動産業体質の会社 自社又は代理店施工の明示
自社又は外注設計の明示
大、中、小規模の明示
・設計体質の会社 自社又は代理店施工の明示
大、中、小規模の明示
・設計施工体質の会社 自社設計施工又は代理店施工の明示
大、中、小規模の明示
・施工体質の会社 自社又は外注設計の明示
大、中、小規模の明示
以上、思いつくままに戯言を申しましたが、これらは言うなれば、
只今の我が国の社会システムの中で叫ばれ、さまざまな社会的
シーンの中で問題になっている”ディスクロ-ジャー”そのものな
のです。人々が”ディスクローズ”しない事が、法律を産み、社会を
複雑なものにしていくとも言えないではありません。
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